肌がくすんでいると、顔全体が暗く見えてしまいます。また、くすみを放置しておくと、さまざまなエイジングサインにつながる可能性もあるので注意が必要です。そこで、今回は、顔のくすみの原因と対策のポイントについてご紹介します。
顔のくすみの原因
顔のくすみの原因はいくつかあり、くすみの種類が異なってきます。
1つ目は、血行不良です。
疲れやストレス、運動不足、睡眠不足や冷え症・顔冷えなどによって、血液の流れが滞ると、肌の組織や細胞に十分な栄養が届かなくなります。また、リンパの流れも悪くなって、老廃物の排出がうまくできない状態になります。血行不良とリンパの流れの悪化は、顔のむくみやターンオーバーの乱れをもたらし、肌の赤みが失われ、顔全体が暗く見えてしまうのです。
2つ目は、メラニン色素の沈着です。
紫外線ダメージを受けると、肌を守るためにメラニン色素がつくられます。肌が健康であればターンオーバーによって古い角質とともにメラニンも排出されますが、過剰につくられてしまうとそのまま色素沈着し、シミやくすみを引き起こします。また、肌への強い刺激やターンオーバーの遅れがある場合もメラニン色素の排せつが遅れ、くすみの原因になることもあります。
3つ目は、乾燥です。
肌が十分にうるおっていれば、キメが整い、肌の表面は均等に光を反射するので、透明感やツヤのある肌に見えます。しかし、乾燥肌によってキメが乱れると、肌表面に凹凸をつくり、それが影になって暗く見えてしまいます。冬の外気だけでなく、夏のエアコンによる乾燥にも注意が必要です。
4つ目は、毛穴の汚れです。
毛穴悩みには、黒ずみ、開き、詰まりなどさまざまな状態がありますが、毛穴の汚れの多くは、皮脂の過剰分泌やクレンジングや洗顔でメイク落としが不十分な場合で起こります。毛穴汚れは、肌が酸化して過酸化脂質ができることで、黒くなり、顔全体が暗くくすんで見えるようになります。
5つ目は、糖化です。
体内の糖質がたんぱく質と結びつくことによって、AGEsという物質になります。AGEsはコラーゲンやエラスチンを硬化させ、肌を老化に導き、くすみも引き起こします。また、AGEsそのものが黄褐色を帯びているため、黄ぐすみや茶ぐすみの原因になっています。さらに、最近では、コラーゲンやエラスチンと脂質の分解物の結合によって起こる「カルボニル化」も黄ぐすみの原因であることがわかってきました。
ほかにも、ターンオーバーの乱れ、喫煙、肌老化などがくすみの原因になります。
顔のくすみのスキンケアでの対策
血行不良によるくすみのケアには、血行を促進し、抗酸化作用もあるビタミンE誘導体配合のエイジングケア化粧品がおすすめです。リンパの流れを改善するキュアパッションもおすすめの成分です。
色素沈着によるくすみには、日焼け止めなどUVケア化粧品で紫外線対策をすることが最も大切です。予防に効果的なのは、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸など、美白成分配合の化粧品を使ってケアすることです。また、紫外線は、ビタミンA、C、Eを使ったアフターケアも大切です。
乾燥によるくすみのケアには、化粧水なら、プロテオグリカン、ヒアルロン酸、コラーゲンなど水溶性の成分が配合されもの、美容液や保湿クリームなら、保湿効果が高いヒト型セラミドを配合したものがおすすめです。また、乾燥肌の女性は、洗いすぎないこともくすみの改善につながります。
毛穴によるくすみには、正しいクレンジングや洗顔で、顔についたホコリ、皮脂、メイクなどをしっかり落とすことが大切です。くすみ対策のクレンジングは、毛穴の汚れをしっかり落とせるクレンジング料を使いましょう。角栓が気になる場合など、上手に酵素洗顔を取り入れるのも効果的です。
糖化によるくすみの対策に効果的なエイジングケア化粧品成分はありません。だから、基本は、日常生活で、くすみの原因をつくらないことが大切です。睡眠中に分泌される成長ホルモンやメラトニンは、AGEsの蓄積を防ぐともいわれているので、良質な睡眠を心がけることも予防、改善につながります。
まとめ
くすみの原因は多岐にわたるので、予防や改善の対策もさまざまです。そのため、自分のくすみのタイプを見極めて、それに合った対策をとることがポイントです。また、くすみの対策は保湿や紫外線対策などのスキンケアだけでなく、規則正しい生活習慣を心がけることも大切です。